COLMUN
コラム / IT化経営羅針盤
IT化経営羅針盤240 業務可視化には「業務プロセス管理図」の利用が決め手!
2025.03.04

業務の可視化は企業のデジタル化では避けて通れない作業です。これを省略してしまったり、不十分なまま終わらせてしまうと、どのようなデジタル化施策が自社に必要なのか事実に基づいた詳細な議論はできませんし、非合理的な業務が残ってしまったり、デジタル化ツール導入の効果が想定よりも低いものになってしまうなどの事態を招きます。
必須作業なのに難しい、業務可視化作業
このように重要な可視化作業ですが、経験がない人たちにとっては、なかなか難しく、十分な成果に到達することが困難であることはあまり知られていません。形式上はできたとしても、完成したものがDX推進がきちんとできる完成度に到達していないことが多いからです。これは、主に業務の粒度が粗い、抜け漏れがありそれに気がつかなかった、といった不具合が潜在化してしまうことに起因します。これを避けるためには、外部機関に頼る必要がありますが、国内において可視化作業を全振りで伴走支援をしてくれるサービスは極めて少ない状況ですし、値段的にも中小企業が手を出せるものではないことが多いものです。
また、IT業者によっては可視化作業の支援をしてくれるところもありますが、IT業者間のばらつきが大きく、さらにどうしても「IT化だけが目標」になりますので、せっかく可視化できても「デジタルに頼らない業務の合理化や組織改革」といったアナログ的な用途には使いにくいものになることもあります。
誤解を恐れずに言えば、可視化作業はそれだけ難しく、形式的に完成したとしてもそれが必要十分なものかどうかは担保されないのです。
業務プロセス管理図が「形式的な可視化」を避ける切り札だ
当社もお客様の可視化に伴走するサービスを提供して久しいのですが、作業のとっつきにくさや膨大な作業工数、非合理な業務に気がついて粒度を細かく調整するなど、嗅覚のようなスキルが必要なこともあって、なかなかお客様に可視化スキルの移転ができませんでした。これでは、長期にわたる可視化と業務改革の継続はできません。
そこで、数年前に大いに頭をひねって開発したのが「業務プロセス管理図」という可視化手法です。これを使うようになってようやく、経験の無い社員で構成される可視化プロジェクトチームでも、スムーズに実りのある議論を進めつつ充分な可視化ができるようになりました。
その手法ですが、業務プロセス管理図は通常の業務フロー図に加え、どんな課題や問題がどの業務で発生しているのかを一目で確認できる書式にしてあります。かっこよく「書式」と呼びましたが、実際には一定のルールの範囲において、どのような書き方でもよく、最低限
組織と順番を守って業務を時系列に並べ、必ず線でつなげる
様々な課題は、かならず業務に紐付けて(線で結んで)表現する
課題の書き方はルールを守り、かならずもれなく事後抽出できるようにする という3つのルールを守って一つの書面に書き表せば良いのです。その一例は次の図の様なものです。

この図で、業務課題が各業務に吹き出しの形で紐付けられていることに気がつかれると思います。また、業務と業務は必ず線で接続されていることにも気がつかれると思います。つまり、業務プロセス管理図を使うことによって、以下の様な可視化のミスを防止できることになります。
線で確実に業務と業務を接続するので、可視化漏れが防止できる
課題を必ず業務に紐付けるので、原因が不明確な課題を放置しなくなる
部門のレーンが存在するので、部門間で分担があやふやな業務や課題の放置を許さない
これらは、可視化不十分でよく発生する不具合です。業務プロセス管理図の書式ルールを守って可視化を進めれば、可視化初心者であってもこれらの不具合を避けることができる、というわけです。
フローと課題をバラバラに管理する弊害
課題がフロー図の中に統合されると、さらに大きな効果が得られます。例えば、課題をフロー図とは別に課題一覧表で管理するという(極めて常識的な)扱い方をしていると、
課題と課題の発生原因を一行で説明しようとしてしまう
という意識がどうしても働いてしまい、複数の業務に原因があってもそれを見逃しがちです。そのような「原因の見逃し」が発生してしまうと、せっかく対策を打ったとしても改善レベルの効果しか得られず、場合によっては何も効果がでずにお金だけが出て行く、ということが発生してしまうのです。一つの課題を、関係する全業務と紐付けて俯瞰して分析することにより、初めて抜本的構造改革を導き出すことが可能となり、「関連する全業務の改革」にまで発展させて対応を考えることができるようになるわけです。
このような「改革レベルの検討」は、業務プロセス管理図でなければできない芸当なのです。
「業務プロセス管理図」の作成負担はソフトウェアで回避できる
このように、業務可視化作業には業務プロセス管理図がお勧めになるわけですが、一つだけデメリットがあります。それは「手間がかかる」ということです。例えば、一つの図の中に課題がいくつも記載されてしまいますので、その管理には手間がかかります。課題一覧表で対策を考えるべきではない、と前述しましたが、それでも課題は表で管理したいものです。なんらかの対策をすれば課題も変化したりなくなったり、新たな課題が追加で発生したり、常に変化します。そのために、表形式での課題管理が求められるわけですが、業務プロセス管理図から課題一覧表を作成しようとすると、手作業が非常に多くなってしまい、膨大な手間がかかってしまいます。この点が、業務プロセス管理図のデメリットと言えるでしょう。それもあって、業務プロセス管理図での可視化を進める場合には、ソフトウェアによる側面支援が欠かせません。当社では、「簡単プロセスビルダー」を開発し、お客様に提供していますが、面倒な作業はソフトに任せるという考え方も、業務可視化のハードルを下げる一つの方策になるのです。
当社ベルケンシステムズ(株)では、業務可視化支援をはじめとする様々なコンサルティングサービスプランをご用意しております。可視化支援ソフト「簡単プロセスビルダー」を含め、ご興味があれば、資料請求をご利用ください。
無料メール講座登録
経営者様向けのIT化ヒントが詰まった無料メール講座や代表コラム「IT化経営羅針盤」、各種ご案内をお届けします。
資料請求
パンフレット、コンサルに関する資料のご請求は下記フォームからお願いします。
CONTACT
お問い合わせ
(TEL: 050-8892-1040)