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コラム / IT化経営羅針盤
IT化経営羅針盤187 IT用語の難しさを斬る!
2023.08.22
IT業界のバズワードについて、前回のコラムでは「DX」を例にして説明しました。その後、この話題についてあるお客様と世間話をしていて、「そもそも論」にたどりつき、それが専門家ではない方々の理解のしにくさに直結している、という結論に至りました。
例えば、「IoT」という用語についてですが、英語ではInternet of Thingsになります。「of」が小文字なので、「o」は小文字なんですね。これを日本語では「もののインターネット」と説明されています。しかし・・・「ものの・・・」とはいくらなんでも抽象的です。なんのことやらピンとこないので、適切な日本語とは思えません。意訳も込めて日本語化しようとすれば「すべてのものをインターネットに繋げる様にする」と訳すのが適当ではないでしょうか?少し長いですが、これが的を射た日本語ではないかと思います。本来であれば、IoTという用語を日本に持ってきた人が適切な日本語訳を付けて紹介するべきだったと思うのですが、それをしなかったがために、このような訳の分からない言葉が横行してしまった訳です。
もっと根が深い例もあります。少し歴史的に古くから使われていることばに「システム」があります。「システムはとうの昔に日本語になっている」と主張される方もいらっしゃいますが、実はこれも適当な日本語訳が存在しません。試しに「システム」と聞いて何を連想するでしょうか?当社のお客様の大半は「システム」と「ソフトウェア」の区別がついていません。したがって、「システムを開発する」と「ソフトウェアを開発する」は完全に同意語になってしまっています。
「システム」とは、人間の作業も含めた全体の仕組みのことを意味します。なので、企業で言う「システム化」も「仕組み構築」と言い換えるべきでしょう。こうすると、「仕組み構築のための部品としてソフトウェアを開発する」という本来の正しい表現ができるようになります。
その他にも、2文字や3文字のアルファベットが日本中にあふれかえっています。意味が簡単に通じるものもありますが、IT用語の場合にはそれがかなり難しい。これによって素人には理解が難しい状態を作り出してしまい、日々それが増えていることになるのだと思います。しかも、ITの専門家はこれ見よがしにアルファベット略語を多用しています。彼らの顧客が知らない言葉を多用し、いかにも「専門家然とする」のは問題でしょう。こんな状況を改善しないことには、日本人のITに対する苦手意識がますます増長されてしまいそうです。
本当は、できれば新しい用語ができたときに、影響力のあるマスコミが適切な日本語(できれば漢字も含めた)ものを作り、それを広めてくれれば非常に助かるのですが、こればかりは私がいくら声を大にして主張しても難しそうです。会社の中でしか通用しなくなるとは思いますが、「新しい用語には日本語を必ず付けよう」というローカルルールを作るしか無さそうです。皆さんも、新しい3文字アルファベットを見たら、日本語訳を考え、それを使うようにしてはいかがでしょうか?今よりも少しは腑に落ちる様になると思いますよ。
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