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コラム / IT化経営羅針盤
IT化経営羅針盤6 社内実証実験大失敗の落とし穴?RPA導入のハードル
2019.02.12
『鈴木さん、RPAが話題ですよね。鈴木さんがおっしゃる通り中小企業でもRPA導入の効果が出そうだと思ったので、当社でも試しに入れてみることにしました。自動化したい業務課題も抽出できて社員に構築をさせているんです。でも、いつまでも作っているばかりで全然動かせないんです。やっぱり社員だけではRPAロボットは作れないんでしょうか?』というご相談をお客様の社長さんから相談されたことがあります。
これは良く有る「PoC(実証実験のこと)の失敗」です。今回のコラムでは、RPAテスト導入に踏み切った会社の多くがたどるPoC失敗への道についてご説明したいと思います。
当社では「RPAの導入は、導入戦略を立て、自社の業務を掌握し、業務プロセスを可視化しながら小さく始めて大きく育てる」といつも説明させて頂いています。どう考えても、この順番しかあり得ないですし、これを逸脱すると深い落とし穴にはまります。それも確実に・・・
今回ご相談頂いた会社で何が起きていたのでしょうか?
「いつまでたっても完成しない」とはどういうことでしょうか?
もちろん担当者のIT技術が足りなかったことが原因である場合も存在します。しかし、その場合はおそらく担当者さんが「自分には無理だ」と言ってくるはずです。それもなく、頑張って作り続けている、ということは「自動化すべき業務を間違えている」ことを意味しています。
どのように間違えているのか、ですが、当社経験で単純化すると下記の様な例となります。
・自動化にチャレンジした業務が複雑すぎて自動化シナリオを書ききれない
・自動化しようと思ったら例外処理の存在がどんどん明らかになって収拾がつかない
・複数の担当者の仕事のやり方が異なっており、ロボットとの協働ができない
といったものがほとんどです。
経営者としては「せっかく自動化するのだから効果が出る業務を対象に導入しよう」というご判断をされるのはごもっともなことです。しかし、それだけで対象業務を決めてしまうと上記のような事態を間違い無く引き起こします。
では、RPA導入初期の段階でPoCとして試す業務はどのように決めれば良いのでしょうか?
当社がご提示している”鉄則”は、「業務課題をまず洗い出し、俯瞰し、例外処理の有無を明確化し、自動化難易度を評価し、その効果を測定する方法を決めて数値化する」作業を先行させることです。
これをベースに自動化対象業務の優先順位を決め、PoC対象を「なるべく単純で例外処理が無く、しかも効果が測定できる」業務を選定してから取り組む、という方法です。
PoCの実施段階では非常に小さな効果しかもたらさないかもしれません。しかししっかりとその効果を把握し、次のステップに登る階段を見える様にすることで「どこまで自動化すれば自動化投資を回収できるのか?」を経営者目線でもはっきりと見える様にすることが肝要です。
決して「業務負荷が高い1つの業務を自動化するのだ」と決めつけてスタートすることが無い様にするのがコツ、とも言えます。
是非皆さんも、RPA導入の鉄則を理解し、成長軌道を描けるRPA導入やシステム化を実現して頂きたいと願ってやみません。
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